行政書士の方波見です。
私は行政書士として許認可業務をメインに扱っていますが、「価格設定」にはやはり気を使います。
最近続けてあったのがご相談時に「実は他の行政書士さんにも相談してましてね」という話。
それ自体はもちろん当然のことです。許認可業務は一般的には決して安い報酬ではないので、お客様にとって特に最初に依頼をする場合に複数の業者から見積もりをとるのはしごく普通のことです。引越しと一緒。
そこで「これが今相談している行政書士さんからの見積もりです」という感じで見積書を見せられるわけですが、殆んど似たり寄ったりということが多い。
許認可業はただ「書類を作ればいい」という話ではなく、役所との調整や事前相談、現地確認や必要書類の収集、事業計画の設定や期日管理など総じて様々な業務が発生しますので、やはりそれなりの報酬設定にはなります。
なので同業他社(他所)の皆さんと比較してもだいたい似ていることが多いです。なぜなら皆さんそういった想定される業務を見積もっているわけですからね。
その一方で、そういった前提で、その上での微調整というものも当然発生するものです。
「社長参りましたね、じゃあウチもこの位で」という感じです。そりゃそうですよね。
ただ、そうできない場合ももちろんあります。それじゃ赤字だと。その場合は経営判断になりますよね。様々なケースを吟味してそれでも受ける。受けられない。と。
実際に今月もありました。農地転用案件だったのですが、別の同業者の見積もりが「???!」というくらいの低価格。
農地転用「届」じゃなくて「申請」です。しかも何度も農業委員会と打合せしなければならない案件です。結構ヘビー。
極端な低価格にする特段の事情もない模様。
ただ、よくよく聞いてみると実際に一度正式に頼んだらしく、なかなか進まないので問い合わせてみたところ殆んど動いていないと・・・。
それで私に回ってきた模様。
ですので「今からだと急ぎで対応しなければならないこと」「そもそも簡単な申請ではないこと」「これこれこういった手続き、準備が必要になること」「だからこのくらいの報酬になります」、これらを説明すると社長さんも納得。
価格設定は各業務内容を緻密に考えた上でないと出せないはずです。もちろん複数案件・大量案件を一気にご依頼頂いた場合等には値引きも発生しますが、その値引き価格もしっかりと業務量や難易度を考えた上でないと提示できないはず。価格が低いのは低いなりの戦略があってこそのもののはずなんですよね。
安易な価格設定は直接的に自分の事務所の基盤を揺るがしますので、なんか急に怖くなってきた。大丈夫かな俺。
今後もしっかり考えていかなければと。