巷間、生成AIは驚くべきスピードでその性能が強化されあらゆる分野での活用が進んでいますが、それと共に必ずと言っていいほど話題に上るのが「行政書士は生き残っていけるのか」という話。
もちろんそういった話題が上るのは当の行政書士の間だけであり(笑)、おそらく行政書士以外にとってはどうでもいい話なのですがそりゃ当事者としては見過ごせない話ではあります。
ただ、私自身は一部入札参加資格申請などが電子化し始めた時点で遅かれ早かれこういう事態が発生すると思っていましたし、行政書士自身普通にそれは感じていたんじゃないでしょうか。
なので比較的冷静に受け止めてはおります。
今の自分自身を顧みると、図らずもお客様から「いろいろ詳しいですね」というお褒めの言葉をかけていただくことはあります。
その一方で、例えば建設業許可申請の場面ですと新規ではなく更新のタイミングご相談に来れられるお客様もいらっしゃいますが、その際に色々お話をすると「そうなんですね。前の行政書士さんはそんなことを教えてくれなかったんですが」と言われることも正直あります。1度や2度ではありません。
一瞬私も「あれ?私がおかしいことを言っているのか?」と不安になったりするのですが、そんなことはなく私が言っていることが正しいと。
建設業許可に限らず弊社では産業廃棄物関係の許可、宅建業、古物商、運送業、酒類販売免許、医療法人や各種法人等多くの許認可手続きに対応していますが、確かに「許認可を取得すること」を依頼された行政書士としては、必要な書類を作成して期限内に申請書を提出すれば依頼された業務としては完結しており、それ以上でもそれ以下でもないのでしょう。
確かに私自身も独立当初は「許可を取得すること」で精一杯でした。別な言い方をすれば目の前のこと以上のことはできないという状況でした。
ただ、そういう仕事のやり方がこれからはどんどん通用しなくなっていくのでしょう。
ところで私自身は子供の頃からスーパー文系人間です。
算数や数学、化学や物理等は体が完全に拒否反応を示していましたし、この根本は今も変わっていないでしょうおそらく。
ただ、建設業許可で言えば経営事項審査等においては数字を読めて理解してアドバイスできるレベルの知識は必須ですし、医療法人設立認可ではしっかりした事業計画や収支予算を組めるスキルが必要です。
産業廃棄物収集運搬業の経理的基礎の計画もそうですし、補助金業を対応するのであれば高いレベルでの財務知識も必要です。
こういう知識は算数数学という話ではなく「経営数字」ですから文系も理系も関係ないですし許認可という経営者と直結する業務を行っている以上はその理解をして当たり前という状況ではないでしょうか。
したがって、結局は「その人自身のスキルとキャラクター」に集約される気がしています。
私自身は自分がどういう人間なのかは分かりませんしそれを判断するのは「私以外」なのですどうしようもできません。少なくとも後ろ指されるようなことはないと思いますが。
だから自分自身の知識をスキルをどんどん積み上げていく。そしてそれを理解して貰う。この道しかないと思っています。