16年間のサラリーマン生活を終えて仙台に帰ってきました。帰ってきたのは「持ち家」「子供2人」「配偶者あり」の37歳男性。無職。
無職・・・これはまずい。一秒でも早くこの「無職」を脱出しなければならない。
当時住んでいた京都から仙台に戻った当日から職探しです。既に「仙台では行政書士の求人がほぼない」ということは認識していましたので、血眼になって探し出した1ヶ所を頼りにコンタクトを取って面接に向かいました。司法書士法人でグループ内では行政書士事務所もあるというところが求人を出していた。
私の鬼気迫った切羽詰まった状態が通じたんでしょう。(もちろんコイツなら役に立つかも知れない、と判断してくれた事務所側の判断ありきですが)
その日から出社というスピード再就職。昔から要領だけは良かったので。
そして、ここでの所長司法書士との出会いが私の人生の転換点と言って間違いありません。経営姿勢から仕事への向き合い方、貪欲な知識習得等、あらゆるものを吸収させて頂きました。
私が折に触れて「人との出会い」を重視するのはこの出会いが自分にもたらした影響がきっかけです。
こういう人から人を紹介されれば、当然ながらレベルが高い、自分が小さく見えるような人を紹介されるわけですから自ずと自分もまともに会話して貰えるような努力をしなければならない。
1年間、行政書士業務を勉強させて頂きました。その合間に「自分で事務所を持つ」とはどういうことなのか、吸収していきました。
そして独立したわけです。38歳。
なけなしの現金をつぎ込んで行政書士登録をしました。パソコンとプリンターを家電量販店で購入。自宅兼事務所からスタートなので大きな出費はこんなもんです。
そして登録式初日にいきなり衝撃を受けます。
私の時は登録者が私一人でした。通常は何人か登録者がいてみんな同時に登録するらしく、同時に登録した人達の間では「同期」というコミュニティになってその後も連絡とったり集まったりして情報交換したりするらしいです。
「同期」とか新卒サラリーマンじゃあるめえしいい年下オヤジどもが慣れ合ったって・・・おっと、話が脱線しました、ブラック方波見は引っ込んでいてください。
それはどうでも良くて、登録証を交付されたときに確か渡してくれた年配の行政書士の方でしたね、「行政書士なんて食えないのに若い時に大変だね」と発言したんですね。
へ?
なんてことを言ってくれちゃってるんですか先生。
さすがにその横にいらっしゃったもう少し若い行政書士の先生が「いやいやそんなことなくて。頑張ってくださいね!」とフォローしてくれましたがもう遅いですよね(笑)
暗~い気持ちで紙袋に入った登録証やら領収書綴りやら規則やら名簿やらを持って自宅(兼事務所)に帰った記憶があります。
俺、大丈夫なの?