
| この記事で分かること ・事業用自動車は5台以上必要(トラクタとトレーラーは合わせて1台と計算) ・車検証の用途欄が「貨物」であれば、4ナンバーの小型車・ワンボックスでも可(軽自動車は不可) ・車検証の所有者・使用者が申請者と異なる場合は、使用権限を証明する書類が必要 ・リース・割賦の場合、許可取得前は仮契約書、許可取得後に本契約書の提出が必要になるケースがある |
一般貨物自動車運送事業の許可を取得するに際し、事業用自動車として運送事業に使用する車両は、5台以上確保する必要があります。この場合、トラクタとトレーラーは合わせて1台と計算します。
車両は、車検証の用途欄に「貨物」と記載されているものであれば、4ナンバーなどの小型車、例えばワンボックスやワゴン車でも問題ありません。
なお、軽自動車は対象外です。軽自動車を運送事業として使用する場合は別途「貨物軽自動車運送事業経営届出」の対象となります。
車検証上の所有者や使用者が申請者名義である必要はありません。ただし、名義が異なる場合は、使用権限があることを証明する書類が必要です。
法人が申請する場合で、車両が代表者個人名義になっているようなケースでは、個人から法人への使用承諾書や譲渡契約書が必要です。
車両をリースや割賦で購入する場合、運送業許可を取得した後でなければ正式なリース契約や売買契約が締結できないケースがあります。その場合は、申請時にはリースの仮契約書等を提出し、許可取得後にあらためて売買契約書やリース契約書を提出するなど、状況に応じた対応が必要です。
| ケース | 車検証「所有者」 | 車検証「使用者」 | 必要書類 |
| リースの残債あり | リース会社 | 申請者 | リース契約書等 |
| リース会社 | 申請者以外 | リース契約の地位承継承諾書、リース契約書、車両売買契約書等 | |
| リースの残債なし | 申請者 | 申請者 | 車検証等 |
| 申請者以外 | ― | リース完済証明書、車両売買契約書等 | |
| 新車購入 | ― | ― | 車両売買契約書、リース契約書、確認書等 |
申請者の状況によってケースバイケースとなるため、上表はあくまで一般的な目安です。
一般貨物自動車運送事業では、車検証の用途欄に「貨物」と記載されている自動車を「トラック」といいます。したがって、乗用車タイプのワンボックスやワゴンタイプの車両であっても、車検証の用途欄が「貨物」であればトラックとして扱われます。
申請書には「小型貨物」「普通貨物」それぞれの車両台数を記載する欄があります。この区分は道路交通法の定義とは異なる点に注意が必要です。
| 区分 | 該当するナンバー | 基準 |
| 普通貨物 | 1ナンバー | 小型自動車・軽自動車・大型特殊自動車・小型特殊自動車以外の自動車 |
| 小型貨物 | 4ナンバー | 全長4.7m以下、全幅1.7m以下、全高2.0m以下、総排気量2,000cc以下(軽油を燃料とするものは制限なし) |
| 特殊車両 | 8ナンバー | ― |
| 種類 | 寸法の目安 | 積載量・総重量の目安 |
| 大型トラック | 12m×2.5m×3.8m以内 | 最大積載量6,500kg以上、または車両総重量11,000kg以上 |
| 中型トラック | ― | 最大積載量6,500kg以下、または車両総重量11,000kg以下 |
| 小型トラック | 4.7m×1.7m×2.0m以内 | 最大積載量3,000kg以下、車両総重量5,000kg以下 |
トラックの構造による分類としては、平ボディ・バンボディ(箱車)・ウィング車・ダンプ・トラクタ/トレーラーなどがあります。事業計画を立てる際は、どの種類の車両を何台使うかによって、必要な資金や車庫の広さも変わってくる点に注意してください。
「先にリース契約を結んでから許可申請をする」と考えていると、実際にはリース会社が許可取得前の正式契約に応じないケースがあり、スケジュールが狂うことがあります。仮契約での対応が可能かどうか、リース会社と事前にすり合わせておく必要があります。
代表者個人名義の車両を法人の事業用車両として使う場合、使用承諾書や譲渡契約書の準備に時間がかかることがあります。申請直前になって慌てないよう、早めに書類の準備を進めることが重要です。
軽自動車は一般貨物自動車運送事業の事業用自動車としては使用できません。軽貨物での運送を検討している場合は、一般貨物ではなく貨物軽自動車運送事業(黒ナンバー)という別の届出制度に該当します。
Q.中古車でも申請できますか?
A.可能です。車検証の用途欄が「貨物」であれば、新車・中古車を問わず申請できます。
Q.ワンボックスカーやワゴン車だけで5台そろえることはできますか?
A.車検証の用途欄が「貨物」であれば可能です。ただし、事業計画上、実際に運ぶ貨物の量や大きさに見合った車両を選ぶことをおすすめします。
Q.リース車両でも申請できますか?
A.可能です。ただし、リースの残債の有無や許可取得前後のタイミングによって必要書類が異なりますので、事前にご相談ください。
Q.車両はすべて新車で揃える必要がありますか?
A.その必要はありません。中古車を含めて事業計画に合った車両を確保していれば問題ありません。
運送業許可の要件全体(資金・人・場所・車両・法令試験)については、こちらの記事をご覧ください
運送業の拘束時間・休息期間とは?改善基準告示をわかりやすく解説
車両要件そのものは「5台以上」というシンプルな基準ですが、リースや名義変更が絡むと、契約のタイミングによって必要な書類が変わってきます。車両の調達方法が決まったら、早めに行政書士へご相談いただくとスムーズです。